史跡湯島聖堂,公益財団法人斯文会のホームページ

伝統行事

鍼灸祭

 5月29日、湯島聖堂講堂にて、第26回鍼灸祭が挙行されました。「鍼灸祭」は、昭和40年から59年まで20年間にわたって四世鍼師神戸源蔵氏の発案と世話人尽力により浅草の伝法院で行われていた“はり灸まつり”の意思を継承し、復活させたものです。 20年間開催された“はり灸まつり”は昭和59年に閉じられて以来、すでに15年を経過しておりましたが、平成12年より復活されました。当祭は、文化庁から史跡「湯島聖堂」の管理団体に指定され、東洋の学術文化、精神文化の振興普及活動をしている財団法人“斯文会”主催の形で、秋の“神農祭”と並んで湯島聖堂の行事として実施されています。また鍼灸祭は日本のすべての鍼灸の団体が協力して、流派や学派の相違を置いて鍼灸の発揚のための集まりを持ち、鍼灸を創生した先達への祭礼、鍼灸関係物故者の慰霊をとり行い、鍼と艾への感謝をすると同時に、各学派・流派の学術講演などを行い、広く親睦を深めつつ鍼灸の啓蒙普及に努める会でもあります。

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開式直前の準備が整った大成殿内部の様子です。祭壇の中央には「公孫軒轅黄帝 神位」の文字が見えます。祭壇両側の手前には艾が三宝の上に準備されています。

祭礼(鍼への感謝)用に参会者が持参した廃鍼用の回収箱が大成殿前に置かれています。

斯文会 田部井文雄常務理事による開式の辞の後、神田神社神職による修祓が行われます。


降神、奠饌の後、祝詞奏上が同じく神職によって行われます。

祭主、財団法人斯文会の石川忠久理事長によって祭文奉読が行われます。



玉串奉奠が神田神社神職、石川理事長に続き、鍼灸祭協賛会各団体の代表によって次々と行われます。

撤饌の後、昇神の場面です。艾の煙が大成殿内に満ちてきています。


主催者、財団法人斯文会の石川忠久理事長による挨拶によって式は締めくくられ、神官退席の後、閉式となりました。

閉式の後もたくさんの一般参会者の方が拝礼されました。

午後2時からは、斯文会館講堂において、本会理事長・石川忠久による「漢詩にみる中国の医療の心」と題する講演が行われました。有名な漢詩の中から医薬に関するものを集めて話されました。陶淵明の詩二十首ある中の一番有名な「飲酒其の五」を上げ飲酒と菊をキーワードに解説。
また、葛洪が書いた『抱朴子』を紹介し不老長生について考えていると説明
奥深い漢詩の世界の講演でした。


続いての第2部では、鍼灸師・深谷伊三郎氏のご長男であり現在ギタリストとしてご活躍の新間英雄氏による「深谷灸を語る」と題したご講演でした。
深谷先生の幼少時代、鍼灸師にならねるまでと、ご自身のご職業をお話されお父様より託された書籍の再版についてのご苦労など、聞くことの出来ない深谷家をお話下さいました。




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